LaTeXで色々な機能を追加する場合には,スタイルパッケージと呼ばれるものを追加する必要があります。
今回は,そのスタイルパッケージの追加方法をご紹介します。
スタイルパッケージとは
スタイルパッケージとは,.styの拡張子のファイルです。
列の結合や,表のセルを塗りつぶすといった特殊な装飾を行いたい場合に追加する必要があります。
multirow.styを使いたい場合には,以下のように設定する必要があります。
\documentclass[dvipdfmx,uplatex]{jsarticle}
% ここから追加するパッケージを書く
\usepackage{multirow}
\begin{document}
スタイルパッケージの追加方法
スタイルパッケージは,以下の手順で追加を行います。
- 追加するパッケージをダウンロード
- 適切なフォルダに保存
- 設定を適用する
ここでは,multirow.styを追加する場合を例にご紹介します。
【STEP1】追加するパッケージをダウンロード
まずは,ダウンロードサイトのCTANにアクセスします。
次に,検索欄にダウンロードしたいパッケージ名を入力します。
![](https://icochan1.net/wp-content/uploads/2023/04/25167216fed876bf35c9c2751761a450-1024x267.jpg)
検索すると,おそらく一番上に「Package パッケージ名」が表示されるのでクリックします。
![](https://icochan1.net/wp-content/uploads/2023/04/0ab7a80c289f364fed1a232b57b8b52e-1024x503.png)
ページ下部の「Download」をクリックしてダウンロードします。
![](https://icochan1.net/wp-content/uploads/2023/04/6624003dd29b2ec72576325979e67e2c-1024x533.png)
【STEP2】適切なフォルダに保存
ファイルをダウンロードしたら,適切な場所に保存します。
ここで,適切な場所の見つけ方についてご紹介します。
Macの方はターミナル,Windowsの方はコマンドプロンプトで「kpsewhich 〇〇〇」と入力します。
ここで,〇〇〇には「既にインストールされているパッケージ名」を入力します。
おそらく,「amsmath.sty」は多くの人がインストールしていると思いますので,以下のように実行します。
kpsewhich amsmath.sty
すると,環境によって異なりますが以下のようにパスが表示されます。
/usr/local/texlive/2022/texmf-dist/tex/latex/amsmath/amsmath.sty
この場合には,/usr/local/texlive/2022/texmf-dist/tex/latex/
以下にダウンロードしたフォルダを格納すれば良いです。
multirowの場合のフォルダ構成イメージはこんな感じです。
***.insのところは,***.styの場合もあります。
![](https://icochan1.net/wp-content/uploads/2023/04/ee3be1d100caf1aa771552d59c2bd436-1024x753.png)
【STEP3】設定を適用する
ここまできたら,後は変更を保存するだけになります。
styファイルを生成する
パッケージによっては,フォルダ内に既に***.styが入っている場合があります。その場合は,ここの節は読み飛ばしてください。
***.insがある場合には,ターミナルやコマンドプロンプト上で***.insがあるフォルダに移動します。
そこで,latex パッケージ名.ins
と入力して実行してください。
multirowの場合は以下のようになります。
latex multirow.ins
すると,同じフォルダにmultirow.styが生成されます。
設定の変更を適用する
あとは,設定を保存するだけです。
以下を実行してください。
mktexlsr
Unix系の場合は,以下を実行してください。
sudo mktexlsr
以上で,スタイルパッケージがインストール完了となります。
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